コラム

2025.03.25

幹部育成(12)

鈴木部長の、田中社長への状況報告や相談も、タイミングよく行われ、社内の動きが正確に把握できるようになった。

その結果田中社長自身、日々の決断が非常にしやすくなった。

それに加え社長本来の仕事である「戦略」を考える時間と心の余裕が生まれた。

 

この事例は、特殊な事例というわけではない。

私がこれまで30年以上をかけ、およそ1000人にわたって行ってきた中小企業の社長の真の幹部を育成するM-BIS研修の実施の過程の中では、毎回見られることである。

 

この事例は(社員を指導育成する立場にある幹部がその役割を遂行することができない)、そうした状況が長年続いた結果

「自部門だけでなく、他の部門にもマイナスの影響が出始めてしまった」というものだった。

 

田中社長は大変に戦略家、アイデアマン、かつ努力家で、業界でも注目を集めているほどの方である。

経営者としての夢も壮大なものを掲げている。

当然のことながら、人材の育成にも熱心で日頃より愛情・情熱を持って幹部をはじめ、社員の指導に時間を割いている。

 

そんな田中社長は、今回研修に参加した鈴木部長に対し、大きな期待をかけた。

 

(営業のトップである部長として、もっと厳しく社内を引き締め、リーダーシップを発揮してもらいたい)

(もっともっと成長して今よりも、大きな役割を担ってほしい)

と考え、直接指示や指導を行ってきた。

常日頃から、そのことを伝えており、鈴木部長も逆らったり、反発したりせず「わかりました」と素直に応じていた。

 

 

 

ロゴマーク