全社一丸経営法(3)
△前回は私たちの古い祖先であるホモ・サピエンスが最後まで生き残ることができたのは、村民の全員が協力して、助け合いながら組織的に動いたことが最大の原因だったという話をしました。
このことはすべての集団に共通する大原則です。
もちろん企業集団にも当てはまります。
「全村一丸体制」と同じく「全社一丸体制」が企業の存続や発展に最も適した組織体制なのです。
私は長い間経営コンサルタントとして多くの企業を見てきましたが「全社一丸体制」の達成度が高い企業が業績もよく、前向きな明るい企業風土を実現しているということを肌で感じております。
もちろん「全社一丸体制」が一朝一夕には達成できません。かなりの年月と多くの困難を乗り越えなければならないのです。
しかし「全社一丸体制」が(長い年月と多くの困難を乗り越えて)達成できた暁には競業企業と大きな差別化になります。
なぜなら「全社一丸体制」の構築にはかなりの年月と多くの困難を伴うだけではなく「全社一丸体制」の実態は具体性のない企業風土であるため競業企業の目にはなかなか見えません。そのため競合企業に真似ができません。ですから差別化になるのです。
ここからは「全社一丸体制」を作るための方法つまり「全社一丸経営法」について話していきたいと思います。
先ず「全社一丸経営法」とは何かといいますと
*「全社一丸経営法」の定義
・全社員が想いをひとつにし
・各人が「自分の会社」という意識を持ち
・部門、階層を超えて協力し
企業目的、目標達成のために邁進する経営法をいいます。
*組織とは一人では達成できないことを多くの人が協力して達成するための手段です。
そのためには
・共通の目的あるいは共通の目標を達成するため、全員が一丸となって邁進しなければなりません。
そのためには次のような条件が必要となります
1 信頼できるトップの想いを幹部が波及させ、全員で実現する~【感情移入の連鎖】
・トップが企業家思考を持つ
・幹部が伝導師となる
・社員が分身となる
2 目的が明確でかつ社会的に十分に実現する価値がある(大義名分がある)こと~【魂づくり=経営理念の作成】
3 企業が作成した目標の到達可能性が感じられ、目標に対し社員が夢とやりがいを感じることができること
~【夢づくり=ビジョンの作成】
4 目標を達成する手段が的確かつ明瞭であること~【架け橋づくり=戦略的経営計画の策定】
5 全員がオーナー意識を持ち、互いに協力し目標達成に邁進する組織風土~【組織風土改革】
・オールヒーローズマネージメント~全員がこの会社は自分の会社だという意識(オーナー意識)を持つこと
・全員営業~全員がお客様に関心を持つこと
・良好な企業文化~全社一丸経営を目指すための強力な企業文化を持つこと
△次回から各事項について更に深堀していこうと思います。 乞うご期待!