古代遺跡探訪ー5
鈴木遺跡は大変古い遺跡が出土したと聞いておりましたので、ぜひ探訪したいと思っておりました。
西武新宿線「花小金井駅」から、「国分寺」行きのバスに乗り「共済住宅」で下車し、そこから10分ほど歩くとかなり大きな小学校が見えてきました。これが鈴木小学校です。
(鈴木小学校)
鈴木遺跡は昭和四十九年以来の小学校と道路の工事に伴って発掘されたもので、出土品は「鈴木遺跡資料館」に展示してあります。
この遺跡は、石神井川の源流に臨む十一万平方メートルに及ぶ広大なもので、約3万8千年から1万6千年前の後期旧石器時代の人々の暮らしを知ることのできる遺跡で、二万七千年前の局部を磨いた石斧、一万五千年前のナイフ形石器と製造過程の破片、二万点に及ぶ黒曜石の利器や破片、大礫群など、ここが「石器工場」や「大調理場」であることを示す遺物が続々と出土しました。
これは鈴木遺跡が、石神井川流域の旧石器時代人の「親ムラ」であったことを示すものと思われます。
つまり前回説明しました、「茂呂」や「尾崎」などの遺跡の人々は、おそらくこの親ムラからテントを担いで獲物を求めて移動し、またもとのムラに帰ってくるという生活を営んでいた小ムラのグループだったのでしょう。
近くを「玉川上水」が流れており、上水のほとりを散策すると、いまにもたくさんの「旧石器人」が三々五々槍を持って半裸で散歩しているような不思議な感覚にとらわれました。
なお鈴木遺跡の周囲には「鈴木遺跡資料館」や「江戸東京たてもの園」やがあります。
これらも順次、紹介していきたいと思っております。