2023.07.12
全社一丸経営(2)
前回は、企業が生き残る確率は非常に低く生誕30年を迎えられる企業はわずか5000社に1社しかなく、「企業は倒産するようにできており、企業の最大の目的は生存し続けることである」という話をしました。
それでは企業が生き残るためにはどうしたらいいのでしょうか?
数年前NHKで700万年に及ぶ人類の歴史を描いた「人類誕生」という番組を放映しました。私たち「ホモ・サピエンス」がなぜ唯一生き残ることが
のできたのかを解明する大作でした。
20種類におよぶ人類の生き残りトーナメント戦の最後の決戦は、祖先を同じくする私たち「ホモ・サピエンス」と「ネアンデルタール人」でした。
「ネアンデルタール人」は屈強な体型で華奢な「ホモ・サピエンス」に比べ体力的に優れておりました。またネアンデルタール人の脳容量は1500mlでサピエンスの1450mlを上回っていました。さらに彼らネアンデルタール人は話す能力も持っておりました。
なぜこのように「ホモ・サピエンス」より優れた体力、知力、をもったネアンデルタール人が生存競争に破れ絶滅してしまいホモ・サピエンスが勝利したのでしょうか?
ホモ・サピエンスが勝利した原因は皮肉にもネアンデルタール人より体力 知力が劣っていたからなのです。
ホモ・サピエンスは弱者だったため、お互いに協力し、助け合わなければ生き延びることはできませんでした。
たとえば彼らにとって最も重要な食料確保のための「狩り」をするときのことを考えてみましょう。
頑強なネアンデルタール人はその頑強さゆえに危険を顧みず個人(一人)で獲物に立ち向かい、結果的に甚大な被害を被りました。
一方ホモ・サピエンスは体力的に劣るため、個人で格闘するようなことはできず、皆で協力し、助け合いながら狩りをする以外に方法はありませんでした。
皆で協力し、助け合いながら仕事をするということは別の言葉で言えば「組織的に仕事をする」ということです。
例えば大きな獲物(象やライオンなど)の狩りをする場合、集落の中で足の速い者が獲物を「落とし穴」や「柵」に追い込み、次に力の強い者が追い込んだ獲物を槍や斧で撃ち殺します。次に女性や子供が狩った獲物を調理したり貯蔵したりします。つまり「全村一丸」で協力して仕事をするのです。
集団が協力して。組織的に仕事をすると、効果的に狩りをすることができ、その集団は多くの人を養うことができ、集団が大きくなります。
最初はどちらも小さな集団でしたがホモ・サピエンスは150人から400人の大集団を形成し、それに対しネアンデルタール人はわずか15人から20人の規模の小集団でした。
そのためホモ・サピエンスは生存競争に勝ち残り、一方ネアンデルタール人は絶滅してしまいました。
明暗を分けたのは、全員が協力して組織的に動けるか否かだったのです。