コラム

2023.07.09

全社一丸経営

私は以前東証Ⅰ部上場のコンサルタント会社に勤務していました。
当時「大前研一さん」が著書の「企業参謀」により「経営戦略」ブームを巻き起こしており、私もいろいろな企業の経営者、幹部とともに経営戦略の策定を行っておりました。
しかしある出来事(私にとっては事件でした)をきっかけに「幹部の動機づけ」の必要性を強く感じ、渋る上司を粘り強く説得し、主力業務を「戦略策定」から「幹部の動機づけ」に転換しました。
以後40年間「幹部の動機づけ」一筋に力を注いできました。
そこで「幹部の動機づけ」についての私の考えを述べていきたいと思います。
先ず質問です。
「仮に10年前に100社の会社が創業したとして、10年後の現在そのうち何社が残っているでしょうか?」
時期の違いや、集計方法により違いはありますが、ある信頼できる機関の統計では企業の10年後の生存率は5%という数字がでております。
つまり100社のうち5社しか生き残れないのです。
同じ統計によりますと、30年後の生存率は0.2%! 5000社に1社しか生存できない計算です。
まさに天文学的数字です。
このことは何を意味しているのでしょうか?
そうです「企業は倒産するようにできている」のです、他社と同じことをやっていたのでは、大部分の企業は消滅してしまうのです!
私も倒産した企業を何社も見てきました。
・今まで自信満々だった経営者が「債権者会議」で債権者から罵倒され、土下座して謝り、句の果て家族がバラバラになって夜逃げをし、なかには自殺を図った経営者もおりました。
経営者だけではなく、
・従業員も生活に困窮し、倒産した企業の従業員の再就職はままならず、肩身の狭い思いで生きていかなければなりません。
もちろん、仕入れ先をはじめとした債権者も大変です。会社の雰囲気は悪くなり、資金繰りはきつくなり、最悪の場合は「連鎖倒産」もありえます。
ですから企業の最大の使命は「成長する」ことではなく「生き続ける」ことです。」
それでは「生き続ける」ためにはどうしたらよいのでしょうか。

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