コラム

2025.04.09

古代史探訪(9)

(岩宿遺跡の碑)

いよいよ岩宿です。

先ず岩古駅に到着しました。タクシーがありましたが、古代の雰囲気を味わいたくて、歩きだしました。

正面に赤城連峰が連なり、いまにも古代人が現れそうな感覚にとらわれます。

30分ほど行くと「岩宿遺跡の碑」が見えました。

この付近は相沢さんが納豆の行商をしながら、土器や石器を拾い集めておりとうとう関東ローム層の中に石槍を発見しました。

その時の感動を彼は著書の「岩宿の発見」で次のように書いています。

《金平山にのぼる細い道の近くまで来て、赤土の断面に目を向けた時、私はそこに見慣れないものが、なかば突き刺さるような状態で見えているのに気がついた。近寄って指をふれてみた。指先で少し動かしてみた。ほんの少し赤土がくずれただけでそれはすぐに取れた。

それを目の前に見たとき、私は危うく声を出すところだった。実に見事というほかない、黒曜石の槍先形をした石器ではないか。完全な形をした石器なのであった。

われとわが目を疑った。考える余裕さえなくただ茫然として見つめるばかりだった。

「ついに見つけた!定形石器」、それも槍先形をした石器を。この赤土の中に・・・」

 

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