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前回はテレビの出現に対し映画会社がとった経営戦略が間違っていたため映画会社は衰退してしまったことを話しました。

それでは映画会社はどうすればよかったのでしょうか?

 

*レビット博士は
・テレビを素晴らしい映画の販売ルートと考え「テレビとの提携」という戦略をとる べきだった。

 

・テレビを映画の販路と考えれば今までは「映画館のみ」だった映画の販路を「茶の 間」にまで拡大することができた。

 

・いままでの映画用のカメラをいったん足元に置き下、テレビ会社にテレビドラマの 制作の申し出をすればテレビはドラマの制作が目的ではなく、テレビの普及が目  的であるから喜んでその申し出を受けたはずである。

 

 

・そうすれば映画会社はテレビドラマの制作を一手に引き受け100%確保でき
映画は再び大成長をとげ第2の黄金期を迎えることができた。

 

*ではなぜ映画会社はテレビを販路と考えテレビと提携できなかったのか?

・テレビが出現したときテレビを「敵」だと思った。だからテレビと提携できな

かっ た。

 

・映画会社には既存の映画館がありそのため直感的に「敵」だと思った。

 

・映画会社は映画を作るだけではなく、作った映画を上映するための映画館が必要で した。

・もしテレビに技術や、人材を提供した場合、今までの仲間である映画館が軒並み

倒産してしまうかもしれないという恐れがあり、映画会社はテレビと安易に提携

でき なかったのです。

・何か新しいことをするときは必ず過去からの「しがらみ」があるはずです。
映画会社にとってのしがらみは「映画館」でした。
そのしがらみが原因で正しい経営戦略が打てなかったのです。

*それではテレビと提携できなかったのは仕方なかったのか?

・レビット博士はそれでも映画会社のとった戦略は間違っていたといいます。

*彼は当時の環境分析を行いました。

・そこで明確になったことは全米で「娯楽の多様化」が起こっていたことでした。

・それまでは娯楽といえばほとんどが映画でした。
・しかしその後映画のほかにボーリングや ダンスホール、テーマパークなど他の娯 楽が次々に現れてきていたのです。

・映画の敵はテレビのみではなく、他にもたくさんあったのです。
ですから映画産業はそのままでは早晩衰退する運命にあったのでした。

・映画会社のとるべき戦略はテレビと提携し、今までの映画の上映館を半分に減ら  し、あとの半分は ボーリング場や ダンスホールに転換することだった。
・そうすれば映画会社はもっともっと成長したはずでした。

*映画会社がテレビとの提携を考えつかなかった最大の理由は、映画館の存在などで はなく映画会社が「映画会社」と自称したことであった。

*なぜ「映画会社」と自称したか?
・映画会社の経営者は経営者である前に映画屋という職人の意識が強かった。

・娯楽が映画しかなかったときは「映画会社」でもよかった。

・しかし娯楽が多様化してきた時代には「娯楽提供会社」に脱皮してもっと
広く自社をとらえ直すべきだった。

*企業は
・「最も強いものや最も賢いものが生き残るのではなく唯一生き残るのは、環境変化 に対し、自ら変化できるものである」とダーウインが言っているように
変わりゆく環境に適応して変わらなければならない」のです。

・まさしく企業は「環境適応業」なのです。

*すべての企業に共通していることは
今の姿は「仮の姿」であり5年後10年後には環境の変化に対応して違うものを売ら なければ生きていけないということです。

・テレビや新聞もネットの普及で苦しんでおります。
・町の本屋さんもネット通販の影響で軒並み姿を消しております。
・かつて存在した「レコード針」はCDの出現でほとんど壊滅し細々とマニアの間でい き残っている状態です。
・戦後主力エネルギー源であった「石炭」は今「石油」にとってかわられました。

*経営者は職人(技術者)であってはいけない。
・映画会社の経営者は経営者である前に映画屋すなわち映画をつくる職人でした。
もちろん職人が駄目だと言っているのではありません。
・経営者が職人ではいけないのです。

・映画会社の経営者が「良い映画を作りたい」という職人的な考えから抜け出せかっ たため、娯楽の多様化という環境変化に対応できず、ほとんどの映画会社が衰退し あるいは倒産してしまったのです。