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熱海海岸の中央付近に「貫一お宮の像」があります。

(貫一お宮お宮の像)

寛一がお宮を足蹴にしている姿を描いておりかなり刺激的な像です。

現在でしたらセクハラとパワハラで訴えられるでしょう。

 

この像は尾崎紅葉が明治30年から35年までの間読売新聞に連載した「金色夜叉」の

なかでの有名な一場面をモデルにしたものです。

 

この小説は当時大ヒットし次から次に続編が書かれ最後は全六編の長編になりまし

た。

ただ執筆中に作者の尾崎紅葉が死亡したため未完成で終わりました。

 

昭和になって度々、映画、ドラマ化されるようになりました。

 

話の筋は高等中学校の学生「間寛一」が許嫁である「お宮」が結婚を間近にして富

豪の富山のところへ嫁ぐことを知り、熱海海岸で「お宮」を問い詰めます。

その後「貫一」は金の亡者と化し、高利貸しになり、復讐をするというものです。

 

熱海海岸で貫一がお宮を蹴り飛ばす場面はとくに有名で、それにより熱海海岸が一

躍有名になったそうです。

 

その時の貫一のセリフ「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせて見せる」はと

くに有名です。

 

原作ではそれに続いて「月が・・月が・・月が・・曇ったならば、宮さん、貫一は

何処かでお前を恨んで、今夜のように泣いているとおもってくれと」言っておりま

す。

 

なんとも未練がましく聞こえますが、この後復讐をするところが読者の気持ちを高

ぶらせたのでしょう。

(貫一お宮の像の側にあるお宮の松)

 

この小説は永遠の課題である「金と恋愛」の問題を内存しており、それもヒットし

た原因だと思います。

 

現代でもタレントがIT長者と恋愛や結婚をし、「金のため」と言われることが度々

見られます。

 

この金権主義と恋愛に関し「三島由紀夫」は

・現代は金権主義が社会主義的税制のおかげで穏便にカバーされている。

・しかし「金色夜叉」の時代よりさらに奥深い金権主義の時代である。

・それにもかかわらず金権主義に対する抗議が今ほど聞かれない時代も珍しい。

・それは金権主義に対抗する恋愛の原理が枯渇しているからである。

・「金色夜叉」には金権主義と恋愛に関して深い意味が込められている。

と述べています。

現代にも通じる鋭い洞察力だと思います。

(ホテルからの夜景)

(ホテルからの朝日)