《田中社長への影響》
BIS研修の受講後、斉藤部長の田中社長への状況報告や相談もタイミングよく行わ
れ、社内の動きが正確に把握できるようになった。
その結果、田中社長自身、日々の決断が非常にしやすくなった。
それに加え社長本来の仕事である《戦略》を考える時間と、心の余裕が生まれた。
以上、斉藤部長のBIS研修の受講の様子とその後の変容をドキュメント風に記して
きたが、この事例は、何も特別、特殊な事例というわけではない。
私がこれまでも30年以上をかけ、およそ1000人に対し行ってきた、
《中小企業の社長の真の幹部を育成するBIS研修実施の過程》
では、毎回毎回見られることである。
この事例では、
『社員を指導育成する立場にある幹部がその役割を遂行することができない』
という状態が長年続いた結果、
『自部門だけでなく、他の部門にもマイナスの影響が出始めてしまった』というも
のだった。
《田中社長の期待》
田中社長は大変に戦略家、努力家、アイデアマンで、業界でも注目を集めているほ
どの方である。
経営者としての夢も壮大なものを掲げている。
当然のことながら、人材の育成にも熱心で日ごろから愛情・情熱をもって幹部をは
じめ、社員の指導に時間を割いている。
そんな田中社長は、今回研修に参加した斉藤部長に対し、大きな期待をかけてき
た。
《営業のトップである部長として、もっと厳しく社内の引き締め、リ
ーダーシップを発揮してもらいたい》
《もっともっと成長して今よりも、大きな役割を担ってほしい》
と考え、直接指導や指示を行っていた。
当然、常日頃から、その期待を伝えており、斉藤部長も、逆らったり、反発したり
せず
『わかりました』
と素直に応じていた。