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イザナキが逃げたのを見たイザナミは

「あなたというかたは、私の恥ずかしい有様をごらんになりましたね」と悔し気に

叫び、黄泉国の醜い女神たち(ヨモツシコメ)に後を追いかけさせました。

イザナキは一心に走ったが、しだいに危なくなったので、髪が乱れぬようにしばっ

てあった黒い鬘(かずら)を投げ捨てました。

投げ捨てた鬘から野葡萄の実が生え、女神たちがそれを食べている間に遠くへ逃れ

ることができました。

 

野葡萄を食べ終わった女神達は再び追いはじめました。

イザナキは今度は髪に挿してあった櫛の歯を投げ捨て、そこから生えた竹の子を女

神達が食べている間に、さらに遠くに逃げました。

 

その様子を見たイザナミはその身体から生まれた八柱の雷神に命じ、千五百人の軍

隊をつけて、後を追わせました。

 

イザナキはやっと死者の国とこの世の境にある黄泉比良坂(よもつひらさか)に辿

り着き、その坂の麓にあった「桃の実」を追手に激しく投げつけ、撃退しまし

た。

 

イザナキは自分を助けてくれた桃に大神の実を意味する名前を付け感謝の気持を伝

えました。

《そのことにより桃の信仰が根付き、桃太郎の物語が生まれたといいます。》

 

 

追跡が失敗したことを知ったイザナミは自ら夫の後を追ってきましがイザナキは千

人力でやっと動くほどの大岩を間に置き、これ限り夫婦の契りを解くことを申し渡

しました。

 

その言葉を聞いたイザナミは「そのようなひどいことをなされるなら、あなたの国

の地上の人間を一日に千人ずつ殺します」と恨みを込めて言います。

 

それを聞いたイザナキは「お前がそんなひどいことをするなら私は一日千五百の産

屋を建て、子供を産ませよう」と返します。

 

そして二柱の神は永遠の別れをしました。

 

この時の誓いのため、一日必ず千人の人が死に、その代わりに一日必ず千五百人の

人が生まれることになったといいます。

つまり人は生まれたら必ず死ぬという「生死観」は国が生まれた時からあったので

す。

しかし愛し合った男女でも、相手の欠点が見えると冷たくなり、冷たくされた

方は憎しみが倍加して、相手を恨み復讐するというのも現代と共通しています。

 

また女性から「見てはいけません」「話してはいけません」と言われた男性が、我

慢できずに見てしまったり、話してしまったりするのもよくある話です。

たとえば「鶴の恩返し」や「雪女」も男性が禁を犯してしまい男女の間が破滅して

しまいます。