BLOG

父君の命令に従ってそれぞれの国を治めることになった三人の御子のうち

海の統治を命じられた

スサノヲだけは例外でした。

 

父から命じられた海原を治める仕事を少しもしようとせず、髭が胸に垂れ下がるほ

どになっても足摺をして大声で泣きわめいていました。

泣き声で山は枯れ、海は干上がり、地上に禍が満ちてしまいました。

 

このありさまを見たイザナキは「いったいどういう訳があって私が仕事を任せた国

を治めようともせずそんなに地団太を踏んで泣いているのだ」と尋ねました。

 

スサノヲは「私は母の国が恋しくてなりません、亡くなられた母がいるという根之

堅洲国」(ねのかたすのくに)に行きたくて、泣いてばかりいるのです」と答えま

した。

 

それを聞いたイザナキはたいそう立腹し「そういうことをいうなら、好きにするが

よい、この国に住んではならぬ」とスサノヲを

葦原中国(あしはらなかつくに)から

追い払ってしまいました。

 

スサノヲは「それではしかたありません。姉君のアマテラスにお暇乞いをして、母

に国へ行きましょう」と言って、

姉君の治める高天原へ登っていきました。

 

この荒びた神が近づくにつれ、山も川もことごとく鳴り響き、大地は地震のように

揺れ動きました。

 

この知らせを聞いたアマテラスは「弟がわざわざ高天原へ出かけてくるというのは

私の国を奪い取ろうという異心を隠し持っているに違いない」と誤解し武装して待

ち受けました。

 

そしてスサノヲに「お前がこうして私の国へ登ってきたのはいったいどういうわけ

なのか」と尋ねるとスサノヲは「私は父の怒りをかい追い払われてしまいました。

私は母の国に行こうと思っておりますがその前に姉君にお別れの挨拶をするために

高天原へ登ってきました。誓って背く心などを持ってはおりません」と言い身の潔

白を証明するために

「誓約(うけい)」

をして子を産むことを提案しました。

 

イザナキがスサノヲを怒り、追放してしまった原因は「命じた仕事を、怠けていた

ため」なのか「自分が憎んでいる相手を息子が恋しがっていたから」なのかまたは

その両方なのかはたいへん微妙なところです。